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英国の悲惨な医療事情

なんとかして!カーペット文化

主食と主食の組み合わせ

天邪鬼国家
イギリスで暮らす日本人

 

 

英国の悲惨な医療事情


近、ちょっと体調を崩してG.P(GENERAL PRACTIONER 一般医。イギリスの場合は、国民保険の適用されるクリニック)に行って来た。
インド人の女医さんは親切だったけど、検査も無し、薬も出してもらえず、結局悪化してプライベートの病院に行き、高いお金を払って治療するハメになった。


こんな話をすると、周囲の人が我も我もと、「私もこっちの病院でひどい目にあった!」と名乗りをあげてくれる。その中の話をひとつご紹介。

去年、私の友人が妊娠検査を受けに病院に行った。
尿検査を受け、後日結果を聞くために病院に電話をかけたら、看護婦から「大丈夫です」という答えが返ってきた。
さて、「大丈夫」ってどういう事でしょうか?

彼女の場合は赤ちゃんが欲しかったから、「大丈夫=無事おめでた」の意味だ。
しかし、「まさか妊娠?」という不安にかられた不倫カップルの片割れや、ワンナイトスタンドの後の人々も検査を受けに来ているだろう。
そういう人にとっては、「大丈夫=妊娠していなかった」という事なわけで、「一体どっちの意味で言ってるんだろう?」と疑問に思うのも当然である。

そこで彼女は、念の為「それはポジティブ(陽性反応)っていう意味なんでしょうか?」と聞き直してみた。
ところが、看護婦は「ネガティブでした」と答える。

変に思った彼女は、再度「妊娠していなかったんですか?」と尋ねた。
すると、看護婦は「え???”××病”の検査結果じゃないんですか???」!!!

なーんと、彼女は頼んでもいない、わけのわからない病気の検査をされていたんである。
妊娠していたかどうかは全く調べられていなかったったのだ。唖然!!!

もし、「絶対妊娠なんかしちゃ困る!神様、どうか間違いでありますようにっ!」って思いで検査を受けに行って、看護婦から「結果はネガティブでした」って言われてホッとしてたら、3ヵ月後にはお腹が出てきた・・・って事になりかねないワケ!??そうです、正にその通り!
薬局で買った検査スティックで調べた方が、よっぽど確実だと思う。


しかも、こう言っちゃなんだけど、こういう怖い話、英国ではとーっても多い。
ほとんど毎日の様に医療関係の問題が新聞沙汰になっている国なのだ。
日本も医療ミスが騒がれているけど、イギリスの医療も、実は「かなり」のものなのです。


追記;私の知っているイギリスの医療の悲惨な実情を一部ご紹介します。


@夜間などの「緊急」医療の待ち時間は、平均8時間。これを4時間に減らす事が、当面の目標らしい。め、めまいが・・。


私が食中毒にかかり、夜8時に「Emergency」に行った時は、検査を受けられたのが夜中の1時。
「結果を報告する医者が居ないから」と言われ、朝4時まで待たされた。
しかし、結果報告にやって来たのは、「私が入室した時から、ずっと私の目の前でお菓子を食べながら看護婦や事務員とおしゃべりしていた若造(医者ではなくて、絶対に研修生だと思う)で、
「実は、結果はまだ出てないけど、多分大丈夫。アイスでも食べてなさい。ハーゲン・ダッツとか」と言われた。
私は激しい下痢で苦しんでるのに、アイスを勧めるか?もちろん、お薬もなし。
私の周囲には、頭から血をダラダラ流している人や大声でうめき続けている患者などが放置されいてた。命に別状が無ければ、行かない方がまし。

ANHSで歯の治療をする場合、平均待ち時間は半年。

その間に悪化するし、治療にこぎつけても、すぐに抜歯を勧められる。(例:私自身の経験と、友人二名からの報告)
無料だから、治療にお金と時間をかけるのを極力避けたいらしい。


では、プライヴェートで治したら?詰め物が取れて、接着剤でくっつけるだけでも、安くて6000円、ちょっといい所なら、2万円ぐらい取られる。親知らず一本抜くとしたら、約1000ポンド(17万円)だ。自分の国に帰って抜いても、お釣りが出るぐらい。
無料でなければ、異常にバカ高く、中間という物が無い。なんとかしてくれ。

BNHSで、「死体が無くなった」と言う事件を何回か耳にした事がある。「無くなった」って、絶対病院の中だろう!と思ってたら、あにはからんや。(←古い)乳児の死体をシーツごと丸めてクリーニング屋に出してしまい、遺体は、クリーニング屋の洗濯機の中で発見されたそうだ。


他にも、「置き場所が無いから」という理由で、数人分の遺体を地下室の床にころがしてある写真も公開されていた。
遺体の上から無造作にかけられたボロ布から突き出した、沢山の裸足のかかと。折り重なる遺体。
まるで、ナチスのガス室のイメージだ。この写真を見た瞬間から、「ナニがあってもNHSで死ぬのだけは嫌」と思わされること請け合いである。

C最近の事件では、乳癌検査に来た患者の資料をゴチャゴチャにしてしまい、120余人の健康な女性に癌治療を行い、癌患者に何の治療もせず、既に数人が死亡している。ずさんの極み!!
ちなみに、これは、ロンドンのハマー・スミス・ホスピタルの話。私が以前住んでいた家からすごく近い。あそこで検査受けなくて良かった・・。

 

D生後三日の未熟児の赤ちゃんが、病院のミスで通常の20倍もの量の糖分を静脈から注入され、オーヴァードーズで死亡するという痛ましい事件が起きました。

この赤ちゃんの双子の兄(弟?)は、生後間もなく死亡しており、両親は残された女の赤ちゃんに望みを託していたと言うのに、病院の「栄養補給」のせいで2人目も死亡・・・・。

ご両親は、どんなにやりきれないことかと思います。

 

この記事に関する一般読者のコメントには、「NHS(国営病院)は、誰1人責任を取ろうとしません。管理者はいつも公共部門の言いなりですし、どうせまたおきまりの謝罪でお終いでしょう」と書かれていました。私もこのサイトで何度も言ってますが、イギリスの病院は、基本的に信頼するに値しません。 (この記事のみ、2007年4月27日記)


 

 

なんとかして!カーペット文化


「イギリスの家屋は家中にカーペットが敷き詰められてる」という事は割と有名だが、分厚いカーペットって、バカでかいバキューム・クリーナーを使っても、全然綺麗にならない。
吸い口の部分ががっちりカーペットに吸い付いちゃって、全然動かないし。
大抵の家は階段にまでカーぺットが敷き詰めてあるのだが、階段のカーペットを掃除するのも至難の業。拭き掃除出来る床張りの方がよほど楽だ。

最も嫌なのは、バスルームにカーペットが敷き詰めてある家。ある友人のの家なんて、床と同色のカーペットが、バスタブの周囲に巻きつけてあった。
余ったカーペットを巻いてみたのか?一体何の意味があるのか、よくわからない。

イギリスは乾燥しているというイメージがあると思うが、雨がよく降るだけあって湿度は高い。
日本の様な体感湿度は低いのだが、家屋の中のカビには結構悩まされる。
前述の友人は、新内装の家に越してきてからまだ数ヶ月しか経ってないというのに、リビングの壁がカビで薄汚れてきて困ってると言っていた。
実は我が家もそう。
引っ越してきたばかりの時は綺麗なレモン色にペイントされていたのに、数ヶ月で真っ黒なカビが繁殖。水まわりは、押して知るべしである。
日本に売ってる「押し入れ用除湿棒」とかこっちにもあればいいのに、勿論そんな便利な物はない。

カーペットで泣かされたのは、最初のフラットに住んでた時の事だ。
そのフラットでは、トイレとシャワーを他の住人と共用しなければならなかった。
掃除の人が一週間に一回ぐらい来てるらしかったけど、「自分達が掃除するんじゃないからいいや」と思ってるせいか、住人の使用マナーは本当にヒドかった。

シャワールームのカーペットは常に水溜り状態。
床なら乾きもするだろうが、限界まで水を吸いこんだカーペットは、歩く度に「ぐちゃっ」と音がするぐらい濡れている。
シャワールームの湿度は異様に高く、壁中真っ黒なカビで覆われているのが一見モダンアート風ですらあった。でも、カビくさいのよ・・。

住人全員、何か企みがあるのかと思うほど、トイレの水を流さない。
オシッコは便器の外に撒き散らす。
もちろん、トイレの床はカーペット敷き
である。

ある時、夫が思い立って、「トイレはきちんと流す様にしましょう」というソフトな語り口の張り紙を張ったのだが、全然効果なし。相変わらず流されていない。
そこで次は、もう少しキツく言わなければという事で、「毎回毎回、病気みたいな茶色い小便を流していかないヤツは誰だ!」という張り紙を張ってもらった。
しかし、逆ギレされたのか、「使用後そのままの状態」に出会う率がますます上がり、本当にノイローゼになりそうになった。
仕方ないので別の階の共同トイレに行ったら、そこにも「水を流さないヤツは、ブタと同じだ!」という張り紙がしてあった。何で皆こんなにマナーが悪いんだー!!

ある時、部屋の外に出てみたらなんか臭う。
何かと思えば、共同玄関からロビー、そしてトイレに至るまで、点々とゲロの痕跡が続いているのである。もちろん、「カーペットの上」に・・・。
専門のカーペットクリーナー業者でも雇わなければ、そんな物キレイになるわけがない。案の定、その後一ヶ月近くは、部屋を出る度にカーペットに染み付いた悪臭に襲われ閉口した。

ちなみに私が住んでいたのは、高級住宅街チェルシーエリアで、家賃はけっして安くなかった。だからと言って、住んでいる人間がちゃんとしてる訳ではないんである。

ただでさえ不潔になりがちなトイレや風呂場が、カーペットのせいでキレイに掃除出来ないのは最悪だと思う。
ものすごいイギリスかぶれの井形慶子と言う人の著書の中に、「少しでもイギリス生活を日常に取り入れたくて、日本のアパートのお風呂場にカーペットを敷き詰めた」って書いてあったが、湿度の高い日本でそんな事をやると言うのは、余程強靭な神経の持ち主ではないかと思う。

別に日本人だから特に清潔にこだわると言うわけではない。
こっちに住んでる外国人で、カーペットを外して床張りに改装してる人達も多い。
私も自分の家を買たら、やっぱり床張りにしたい。


風呂場とトイレのカーペットは、固守すべき英国文化の一部だとどうしても思えないんだけど、どうでしょうか?

 

 

主食と主食の組み合わせ


米、パン、麺類、芋類・・これらは世界の各地で「主食」と言う位置付けにある穀物類だ。
普通、食事と呼ばれるものは、これらの主食+αで成立している。

が、例外もある。日本で言うなら、焼きソバパン。あれは何だ?言わば、主食と主食の組み合わせである。
メニューとしては成立していないが、ラーメン・ライスはどうだ。

この場合、「ライス」を副菜と考えるべきなのか、それとも、ラーメンの汁などをライスのおかずと考えているのか、私にはよくわからない(注文した事も無いし)。が、これも主食と主食の組み合わせと言って良いだろう。
日本人は意外と気づいていないんだが、「餃子+ご飯」と言うのは、中国人から見ると「主食と主食の組み合わせ」に他ならず、変な組み合わせだと思われている。考えてみると、餃子ってラビオリみたいなものだしね。パスタとご飯を組み合わせて食べていると考えると、確かにちょっとおかしいのかもしれない。

そんな日本人が、よその国の「主食と主食の組み合わせ」をアレコレ言う権利はないかもしれないんだが、敢えて言わせてもらう。
イギリス人は、主食と主食を組み合わせる事が何故こんなにも好きなんだろうか?

片方の主食はほとんどの場合、フライド・ポテト(英国流に言えば「チップス」)である。
フィッシュ・アンド・チップス。これはチップス+魚(おかず)と考えれば、まだ納得が行く。
が、パブなどで頼むパスタ類にまでチップスがもれなく付いてくるのは、一体どういう事なんだ?


特に顕著なのが、イギリス人の大好きな「チーズ・マカロニ」。読んで字の如く、マカロニにチーズがかかっているだけのしろものである。信じられないかもしれないが、具は全く入っていない。
保育園の給食の様なこのメニュー、スーパー・マーケットに併設されている食堂を初め、庶民的なお店では必ずと言っていいほどよく見られるメニューだ。この食べ物自体どうかと思うんだが、これには必ずと言っていいほどチップスが付いてくる。チーズ・マカロニとフライド・ポテト・・・・・・食べた後、異常に喉が渇くのである。

その他のメニューにも、当然の如くチップスが付いてくる。ともかく何にでもついてくる。
カルボナーラにまでチップスがついてきて、驚いた事もあった。(これはごく少数派)

以前、お爺さんがトーストと一緒にチップスを食べていたのを見た事があるが、それはまだ可愛い方。
湖水地方を旅行した時、パブから出てきた人が、バゲットの中にチップスを詰めたサンドイッチを食べているのを見て仰天した事がある。フライド・ポテトのバゲット・サンドですよ?こちらの人が、フライド・ポテトに必ずと言っていいほど塩とビネガーを大量にかける事を考えると、焼きそばパンよりもどうかしているアイディアだと思わすには居られない。

先日、近所のフィッシュ・アンド・チップス店にて、夫が「チーズ・マカロニ・パイ」という物を発見した。チャレンジャーな夫は、もちろんテイク・アウェイ。
外見は普通のキッシュみたいな感じだったのだが、中は・・・・。潰れきって原型を留めていない湿ったマカロニがギッシリ詰まっているというシロモノだった。

パイの中にマカロニを詰めるというアイディアって、
「パイ=おいしい」、
「チーズ・マカロニ=おいしい(英国人にとっては)」
「おいしいもの×おいしいもの=おいしいハズ!」という発想から発明されたんだろうか?
だとしたら、絶対間違ってるよ、それ・・・。


(2003年1月記)

 

天邪鬼国家


イギリスが欧州のやる事に何でも反対する天邪鬼国家なのは,、全世界によく知られたところだ。


他の国と逆の左車線(日本が英国の車線を真似たのは、今となっては全く損なハナシ)、通貨をユーロに変えたがらないなどなど、「うちはそんじょそこらの国とは違うの!」と言う英国の鼻息の荒さは、ヨーロッパの国々から、よく笑いの種にされている。

それにしても、どうでもいい様な些細な場所まで他の国と逆なのには、時に閉口する。
例えば洗面台やお風呂などの水道の蛇口。
普通、右が水、左がお湯じゃありませんか?
これって、世界的に普及している形式じゃないかと思う。一般的には右利き人口の方が多いのだから、習慣的に右手でひねった時にいきなり熱湯が出てくるという危険な事態を避ける為には、「右の蛇口=水」の方が理に叶っているだろう。

しかし、イギリスの古い家屋のほとんどは、右がお湯、左が水。何を隠そう、我が家もそうだ。パブのトイレなども同じ。来英したばかりの外国人は、絶対間違えると思う。


それでも、「右は絶対お湯!」と統一されているのならまだいい。新しい建物では、これまた左右が逆(右=水、左=お湯)の所も結構あるのだ。

どっちがいいのよ、キミ達は?

大体、水道の蛇口がお湯と水に分かれているのもよくわからない。

新しいショッピング・モールやマクドナルドなどのお店でも、蛇口は二つ。冷水と熱湯しか出ないんだから、迷惑極まりない。熱湯で手を洗える人なんて居ないと思うんだけどなぁ。


お湯の蛇口か水の蛇口かわかるように、赤や青のマークとかついてればまだいいが、不親切な事に、何も目印がついてない所もある。そう言う時は、先に蛇口をひねってしばらく待ち、湯気が出ないとわかってから手を洗う様にしている。メンドくさ!

さかさま地獄は他にもある。レストランのテーブルに置いてある塩と胡椒。
普通、穴の沢山空いている調味料入れが塩、穴が一つしか空いてない調味料入れに入っているのが胡椒ですよね?これは、胡椒がドバドバ出ると困るから当然だと思ってたんだけど、イギリスの習慣では大抵これが逆。
日本みたいに透明な容器に入っている事はほとんど無いから、外見だけではわからないのもクセモノだ。
穴がたくさん空いてる容器を見て塩だと確信して思いっきり料理にかけたらM胡椒がドバーッ!と出てきて、辛くて食べられなくなってしまう・・・ハイ、よくあります。フランスから来た夫の家族達は、皆これにやられて「イギリス人は××だ!」(伏字)と言って怒ってました。


これもまた、統一性が無くて、逆の所もあるのが困る。私の経験だと、フィッシュ・アンド・チップスやオールデイ・ブレックファストを供している様な「非常に英国的なお店」のほとんどは、「穴の多い容器に胡椒」が定番。

英国にお越しになる際は、ぜひお気をつけくださいませ。(2003年1月記)


 

イギリスで暮らす日本人

 

先日、ある方から、「そんなに英国で暮らすのは大変なの?」と聞かれたので、何故私のイギリス暮らしがあまり快適でないのか考えてみる事にした。

寒いところが嫌いとか、食べ物がまずいとか言った生理的に嫌な点を除くと、このしんどさには一体どんな原因があるんだろうか
?同じ英国暮らしをしていても、「イギリス、サイコー!!」という人々も沢山居ると言うのに、私みたいに「なんとかしてくれよ、もー・・」という者が存在しているのは、一体どういうわけなんざんしょ?

イギリスに限らず、外国で暮らしている日本人は、@留学生、A駐在員とその家族、B国際結婚した人々、Cその他(不法就労、偽装結婚、その他の永住者)に大別される。

@の留学生の場合、留学先に英国を選んだという時点で、ある程度ここの文化なりなんなりに興味があって来ているのだろうから、英国のダメな点に対しても「あばたもエクボ」で乗り切れるのではないかと思う。
私が台湾に居た時も、なんでもかんでも「好きな国に居る」というだけで満足していたから、その気持ちは理解できる。
それに留学期間は決まっているのだから、生活者としての不便を永久に我慢し続ける必要もない。
家族から離れて暮らし、自国のしがらみのない生活を「英国の自由」と勘違いしてる留学生も結構多いが、英国でなくても外国に留学してれば、大体どこででも同じ開放感が味わえるものだ。それは日本に居る限り、なかなか経験できない快適さだと思う。
留学先を問わず、学生ビザが切れた後、偽装結婚などの不法滞在でなんとかその国に留まろうとする留学生が後を絶たないのも、そういう理由からなんだろうな。

Aの駐在員及びその家族は、やはり期間限定という前提があってこその快適な生活という気がする。
私は仕事の関係上駐在員家庭と接する事が多いが、程度の差こそあるものの、やはり彼らの生活レベルはのきなみ高い。
それに、特にロンドンの駐在員家庭の場合だが、日本での生活をそのまま移動してきているだけの人達も多い。
日系食料品店で日本食を買い、家では完全に日本と同じ食生活。子供は日本人学校や補習授業校、そして進学塾に通い、奥さんは駐在員の奥さん仲間たちと(心の中はどうあれ)一緒にお買い物。
ちなみに、日系書店でバイトしている知り合いに聞いたら、一番売れてる雑誌は「VERY」なんだって。推して知るべしでしょ?

そういった日本丸ごと移動式生活の合間に「英語レッスン」や「本場のオペラ」「本場のバレエ」「本場のクラシックコンサート」「本場の西洋美術」などなどの鑑賞、「英国式ガーデニング」、「欧州旅行及び欧州ブランドのショッピング」などなどが余興として入ってくる のであれば、そりゃ楽しいだろう。日本の友人にも自慢できるだろうし。
もちろん現地社会にちゃんと溶け込んでいる人々も居ますが、ロンドンはあまりに日本の生活水準を維持するのが便利な環境ですから、お金がある方達の場合、「日本+α」の暮らしを楽しむという形になるのは当然の結果でしょうね。

B国際結婚して英国に暮らす人々。と、一口に言っても「イギリス人と結婚してイギリスに暮らす日本人」と、「イギリス人以外の外国人と結婚してイギリスに暮らす日本人」では、生活形態がかなり違うと思う。


私の友人知人は圧倒的に前者が多いわけだが、話を聞くと、英国人の旦那さん(奥さん)の実家や親戚、友人達との付き合いが、彼らの生活上の非常に重要なポイントになっている。

 

ここで一つ肝心なのは、配偶者の所属しているクラス(階級)である。


なんだかんだ言っても、英国は階級社会。

夫(妻)が労働者階級なら、外国人配偶者は否応無くワーキングクラスとして周囲から認識され、その社会の枠組みの中で生活していく事になる。例え日本での出自がどうであれ関係ない。

英国人配偶者のクラスで、外国人妻(夫)の社会的立場が決定されるのだ。


アッパーミドルクラスの夫を持てば、親戚も社会的地位の高い人達ばかりだし(無論例外はあります)、友人も夫(妻)と同じ大学を出た同窓生ばかり・・という風になるだろうし、そういった人々との交際を中心に生活が回っていく事になるはず。

しかし私と夫の様に、外国人同士で結婚して英国に住んでいる場合、私達はどこの階級にも組み込まれない。
つまりそれは、英国社会で根を張る場所が無いという意味だ。英国人は、自分と同じ階級とおぼしき人間に自然に引かれるし、出身大学のレベルも家庭環境も似た者同士でより固まる傾向が強い。その判断基準が使えない外国人は、彼らの社会のカヤの外なのだ。

外国人カップルでも、子供が居ると地域社会との繋がりが出来るし、子供の友達付き合いから親同士の交流に発展していく事も多いので、子どもを通じて英国社会に根付いていくことは出来ると思う。
しかし、私達みたいに子どものいないカップルでここで仕事をし、いつまで続くかわからない英国生活を続けている外国人というのは、立派な生活者であるにも関わらず根無し草としてしか存在できないという、非常に空しい立場だ。
どうしても英国人社会の中に踏み込んでいけないから、彼らの本質もその良さもわかっていない。
だから、単なる生活者としての苦労みたいな点ばかりが気になってしまうのだろう。

マー○ス寿子とか井○慶○みたいに「イギリス万歳!」みたいになれたら、「ヴィクトリア調の建造物が並ぶ街を歩くワタシ・・・」などと思うだけでうっとりと生活していけるのかもしれないが、英国文化の方面にあまり興味の無い私は、残念ながらそうもなれない。

例えブランド物が好きって言うだけであったとしても、欧州文化礼賛みたいになれる方が余程楽な気がする。

関係ないけど、日本人って旅行中にご同胞を見かけるとムッとするけれど、あれって、せっかく西洋の町並みに溶け込んでる自分(イメージ上では金髪碧眼)に酔ってた所に、いきなり鏡をつきつけられた気分になるからなんでしょ?「どこに行っても日本人だらけで、雰囲気がぶち壊し!」って、あんた一体誰?


短期の旅行中ぐらいならうっとりしていても構わないけど、長くこっちに居るくせに、「英国に居るワタシ」にうっとりして、同胞や自分の国、ひいてはアジア圏全体をバカにするような日本人って最低だと思う。
まず鏡を見て、自らの「アジアづら(by電気グルーブ)」に直面してみてくれと言いたい。

 

ただ住んでいるというだけで、一部の日本人に妙な優越意識や特権意識を与えてしまうという点でも、英国というのは私にとって微妙に居心地の悪い場所なのである。

こんな私でも何かのきっかけで英国が大好きになる日も来るのかもしれないし、今でもなんとかいい点を探そうと努力はしているが、まだちょっと難しいと思う三年目の冬なのであった。