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英国式・滑稽なクリスマス

英国式・滑稽なクリスマスA・クラッカーの謎

英国・馬事情

英国・タトゥー事情
大学入試はとんち問答
英国人エリートのアジア観
ハロッズ探訪記

 

 

英国式・滑稽なクリスマス


伝統行事に不可解な風習はつきもの。
イギリスのクリスマスにも、おかしな習慣が多々あるようで・・・。

夫の妹がイギリス人のボーイフレンドの実家のクリスマスパーティーに参加した後、憤懣やるかたなしといった表情でこう言った。
「クリスマスディナーの間中、家族全員がヘンな三角帽(紙を円錐形に丸めたとんがりコーンみたいな形の帽子。よく東急ハンズのパーティーグッズに売ってるようなやつ)を当然の様にかぶっていて、私までかぶらされた!彼氏はおろか、年配のお父さんやお母さんまでその帽子をかぶったまま平然と食事をしていた。ミスタービーンじゃあるまいし、なんなのっ、あれは!」
「みんながクラッカーを大量に買い込んでいて、それを”せーの!”で両脇から引っ張って鳴らすと、クラッカーの中から安っぽい子供向けのおもちゃが出てきた。ばかばかしくて耐えられない!」


夫の妹はエマニュエル・ベアールに似たアンニュイな美人だし、彼女のボーイフレンドは物静かなハンサム。その彼らが三角帽をかぶってるだけでも相当笑えるんだけど、果たしてイギリス人のクリスマスは皆そんななのだろうか?

そこでイギリス人と結婚している日本人の友人に尋ねてみたら、「三角帽はイギリス人のお約束」なんだそうだ。
もちろん彼女のだんなの実家のクリスマスパーティーでも三角帽は絶対着用。
しょっちゅうずり落ちてくる三角帽を手で押さえながら黙々と食事する様は必見とのこと。

彼女のご主人のお父上は、ロマンスグレイ(←死語)のいかにもイギリス紳士といった感じの方で、しかも弁護士だそうだが、それでもパーティーの時は、三角帽着用で大阪の食い倒れ人形状態。
大量のクラッカーもお約束で、クラッカーの中には中国のフォーチューンクッキーみたいな紙切れが入ってて、それにパーティージョークが書いてあるんだそうだ。
それを皆で回し読みをして談笑・・らしいが、彼女には何がおかしいんだか全然わからないという。
それよりもっと恐ろしいのが、頭にネットのついたヘンな形の帽子をかぶり、他の人の投げたボールを頭のネットでキャッチするというわけのわからないゲーム。
これもパーティーの定番で(が、これは彼女の家だけかもしれない)、すべての客が強制的に参加させられる。
もちろんロマンスグレイのお父さんも、お金持ちのマダム風のお母さんも、頭にネットをかぶってキャッチボールを・・。
それを聞いて、暴力団に襲われ、頭にネットをかぶっていた時の故伊丹十三を思い浮かべた私。「マスクメロン」とナンシー関が書いていたっけ。

私の友人も必死に断ったのに、無理やり「頭キャッチボール」をやらされ、その上「写真まで撮られた」と嘆いていた。
おまけに、彼女の招待した日本人の夫婦まで強制的にやらされたとかで、肩身の狭い思いをしたそうだ。
そりゃそうよね。「イギリス人の上流家庭でパーティー!」と思って張り切っておめかししていって、頭に三角帽やらネットやらかぶらされてクラッカーパーン!!じゃさ。落胆もするわな。

今年は彼女の家のクリスマスパーティーに呼ばれる事になってたんで、内心「あたくしと夫にもとうとう三角帽をかぶる時が!」と、ちょっとドキドキしてたんだが、突然マダムがフランスに別荘を買い、クリスマス休暇は一家揃ってフランスに行くとかで、イギリスでのパーティーは中止になってしまった。残念残念。(←ウソ)

ま、私らもお正月には餅食ったり、おみくじひいたり訳のわからない事してるんだから、人の国の事をとやかく言えた立場ではありませんけどね。

 

 

英国式・滑稽なクリスマスA・クラッカーの謎


英国に住み始めて早や幾年月になるというのに、相変わらず英国人家庭と縁が無いガイジン夫婦な為、伝統行事などの慣習は未だにわからない事だらけだ。
積年のナゾ、「英国のクリスマス・クラッカー」の全貌解明に努めるべく、我が家では今年初めてクリスマス・クラッカーを購入した。

クラッカーと言っても、「パン!」と威勢良く鳴って、紙クズがハラハラと舞い落ちてくるアレじゃありませんよ。
英国式クラッカーは、箱入りセットで売られている。小さいのは6個入りから。大きいものになると、幅1メートルはありそうな箱に、ぎっしりクラッカーが詰まっている。
箱の裏には、「クラッカーの中身」の写真入りの説明がついている。
なぜかというと、こっちのクラッカーは、中にガジェットが入っているのだ。
子ども向きのクラッカーだと、駄菓子っぽいオモチャ類、安いクラッカーだと、プラスチック製のコーム(使えない!)やキーホルダーなどなど。

私達は今回、6個入り5ポンド(約950円)のセットを購入。高からず安からずと言ったところか?


クラッカーの全貌。右は中身。

使用法は以下の通り。
二人で両側から引っ張る。

                                     

「パン!」と言う音と共に二つに分かれる。

中身が入ってる方が手に残ったら、中の景品はその人の物になる。わたし達の買ったクラッカーに入っていた景品は、

☆キーホルダー
☆ミニミニ懐中電灯
☆ミニミニ南京錠
☆ミニミニ・ドライバーセット
☆ミニミニ・メジャー
☆ミニミニ爪切り
でした。
どう、欲しい?欲しい?

これだけではありません。イギリス名物紙製の王冠も、もちろん入っています。


↓これをかぶったままの状態でディナーだ。


クリスマス=老いも若きもこの王冠!
英国の映画やドラマを見ると、クリスマスには欠かせないアイテムとしてよく出てくる。有名な映画でも結構出てくるので要チェック!(例:「リトル・ダンサー」「ブリジット・ジョーンズの日記」「アバウト・ア・ボーイ」など)

さて、景品の中には更に問題の品が入っている。それは・・恐怖の「ジョーク・カード」!
久々に会う家族や親戚と会話が弾まない事を鑑み、クラッカーの中には、パーティーに話題を提供する為の紙切れが入っているのだ。こんな紙切れ一枚で気まずい沈黙から逃れられるなら、大変お買い得といえる。
私達が買ったクラッカーの中に入っていた紙切れの内容はと言うと・・

☆ジョーク(わざわざ「ジョーク」とタイトルに明記してある。ジョークだとわかってないと、笑えないからではないかと思う)
☆しりとり
☆クイズ

「ジョーク」がねぇ・・つまんないんだ、また。英国人でないとわかんないネタも多いし。
例:「Q:顕微鏡が道路を渡ろうとしています。何故でしょう?」
「A:道の向こう側に行きたかったからです」

・・・笑える、これ?ねぇ、笑える?

英語のしりとりも、ガイジンには厳しいしなぁ。
クイズはそこそこ。
「2001年度のビッグ・ブラザーの優勝者は誰だったでしょう?」
「ニュージーランドの首都はどこ?」
など。

そんなこんなで、英国人の楽しいクリスマスの夜はふけていく・・・らしい。
私達も猿真似で楽しませてもらったが、本気でやるには結構ツラい英国式クリスマスなのであった。
(2002年12月記)

 

 

英国・馬事情


夫の運転している車に乗って、ロンドン郊外の町を走っていた時のこと。
私はバック・ミラーに「馬」が映っているのを発見した。
言っておくが、田舎道でもなんでもない普通の道路である。
「う、馬がっ!」と言った途端に車は左折。馬を見失ってしまった。

ご存知の方も多いと思うが、英国の警察官は、よく馬に乗って移動している。(白バイみたいなものか?)しかし、その時バック・ミラーに映っていた馬にまたがっていたのは、乗馬帽をかぶった普通の女性。
乗馬の練習中に馬が暴走して道路に出てきてしまったんだろうか?

昔、高層フラットの5階に住んでいた時のこと。窓の外から「ぱからっ、ぱからっ」と妙な音がする。窓の外は駐車場のハズなのに・・。窓から下を見てみたら、警察官が二名、馬で巡回警備中なのだった。高層ビルの谷間に馬!すっごくシュールな光景だったのを覚えている。

人が大勢集まる場所の警備には、よくこの「乗馬警官」が登場する。
ノッティング・ヒルで毎週土曜日にやっている有名なアンティーク・マーケットや、年に一度のカリブ系移民のカーニバルなどでも、馬に乗った警察官が出動していた。
満員電車並みの人ごみの中、デカい馬の存在はハッキリ言ってちょっと迷惑だが、外国からの観光客達は馬を触らせてもらったり、一緒に写真を撮ってもらったりと嬉しそう。

しかし、しょせん馬なぞ四ツ足のケダモノ。突如「ブルル〜ン!!」と、ヨダレをまき散らしながら、わけのわからない威嚇をして観光客を驚かすのは、まだ序の口。
大勢の人たちが居る路上で、バケツをひっくり返した様なオシッコを「ドジャーッ!!」とぶちまけた時は、周囲の人垣がクモの子を散らした様にサ〜ッとひいていったっけ。
もちろん、馬の行くところに馬フンあり。人ごみの中で、馬フンを踏まない様に気をつけるのがまた難しく、『馬フンを踏むと背が伸びる』という日本の迷信が本当だったら、英国人の平均身長はもう少し高くてもいいと思う。そのぐらい、ロンドン市内で馬糞を踏む確率は高い。

馬での巡回は「高い所から遠くまで眺められるから」いいんだそうだが、それ以上に短所の方が多いと思うんだけどなあ。
特に馬フン。掃除する人も特に決まっていないみたいで、路上でいつまでもひからびさせておくのは、いかがなものか?

それでも、英国人は本当に馬が好き。
自分の馬を持つのはステイタスらしいし、実際お金持ちの子どもの中には、自分のポニーを買ってもらっている生意気なヤツも・・。
イギリスの場合、馬は一頭につき、1000〜2000ポンド(17万円〜34万円)。
プラス、一頭1エーカー(約0.4ha)の放牧地が要るし、1日あたり、20ポンド(約3400円)のエサ代がかかる。
つーことは、維持費だけで1ヶ月かる〜く10万円以上かかるわけね。

ちょうど車も壊れたことだし、今度からは馬に乗って通勤しようかと思ってたけど、そんなに高いんじゃやめ、やめ!!(←信じないように)


 

英国タトゥー事情


「刺青」と書いて、タトゥーと読む。
こっちの方が、今流行してるファッション刺青には合ってる気がする。
刺青と書いて「ほりもの」と読めば、ヤーさんのくりからもんもん(←どういう漢字なの?)だが、こっちは「生きざまの表明」である。
今はどうだか知らないけど、30年ぐらい前の彫り師の方のインタビューによると、体の前部に彫る時の痛さと言ったらないそうだ。
彫った後は、カサブタだらけの身体が痛くて、横たわる事も出来ないと言う。
ちなみに、刺青と書いて「いれずみ」と読むのは、谷崎潤一郎の世界。(「いれずみ」にこの漢字をあてるのって一般的?最近は「入れ墨」って書かないですね。)

今流行中なのは漢字を一字彫るタイプ。「愛」とか「龍」とか、ちょっと画数の多めのが人気らしい。
しかし、去年の夏だったか、地下鉄の中で腰の下の方に「女」と彫ってる太った女の子が居たが、ちょっと変じゃないか?
彼女が実はオカマで、「私は女よっ!」と大衆に向かってアピールしたいというのなら、意義があると言えなくもないけど。
以前、額に「犬」と書かれていた野良犬を見た事があるが、あれに似ている感じ。(筋肉マンの額の「肉」の字もね☆)

「あんまり目立つところにはしたくな〜い。でも見せた〜い」からなのか、前述の女子の様に、腰のちょい下、臀部のちょい上ぐらいにタトゥーを入れてる女の子は結構多い。
タトゥーを見せる為にヒップボーンのパンツをはいて、わざわざ半ケツ状態にしてるコも居る。
問題は、キレイな子、キレイなケツとばかりは限らない点である。
汚くてデカい尻に、下手くそな漢字(しかも逆さだったりして・・)で、「欲望」などと書かれていると、見ている方としてはキツいものがある。

この間も結構夜遅く夫とパブでお茶を飲んでたら(パブではお茶も飲めます)、「さっきクラブに行ってきまちた〜!」って感じの酔っ払いギャル二人組みが、やたらと私達に話し掛けてきた。
「チャイニーズ・キャラクター読める?」と聞かれ、「読める」と答えたら、いきなりズボンを下ろして半ケツ状態になり、「これはなんて読むのかな〜?」と聞いてくる。
彼女のお尻には、「友」というタトゥーがあった。
「フレンドって意味だよ」と言うと、「やった〜!!合ってた〜!キャ〜!」と、やたら喜んでいた。
なんでか聞いたら、刺青を入れる時、店の人に「この漢字はフレンドという意味」と聞いてはいたのだが、半信半疑だったのだと言う。
彫ってから、「実は、オ××コという意味だった」などとわかったらどうしよう・・と心配してたらしい。良かったねえ・・。

日本で言う「女性自身」「女性セブン」にあたる英国の女性雑誌に、「HELLO」とか「OK!」というのがある。
記事の内容は、主に芸能人(及びロイヤル・ファミリー)のゴシップなんだが、この間歯医者の待合室でこの手の雑誌を手にしたとき、「タトゥーを消した私たち」という特集を目にした。刺青を入れた後、後悔して消した女性たちのいきさつについての記事である。

ある中年女性は大の犬好きで、かわいいワンちゃんのタトゥーを入れようと(←この発想からして既についていけないが)、いさんでタトゥーショップに行った。
ところが見せてもらったデザインの中には、彼女の好みのイヌ柄が無かった。
その時、店の人に「パンダも可愛いわよ」と勧められ、なんとなく「パンダもいいかなあ〜・・」という気になり、急遽パンダ柄に変更したのだそうだ。
ともかく「今日は絶対彫るぞ!」という決心で来た為、彫らずには帰れない心境だったのかもしれない。それにしても、パンダ・・。

案の定、二の腕にパンダが彫りあがったその瞬間から、彼女はその柄が気に入らなかったのだと言う。
衝動買いした服がすぐ気に入らなくなるのと似てますな。

日を追う毎に、彼女は憂鬱な気分にさいなまされていった。
殊に、フォーマルなパーティーでイブニングドレスを着る時、パンダの彫られた二の腕の情けなさといったら無かったのだそうだ。
ご主人にも「下品」だと言われ、二の腕のパンダが、呪わしい邪鬼の様に感じられたと言う。(プッ!)
それで遂にタトゥーを消す決心をし、刺青を入れた時の何倍も費用を払い、何倍もの時間を費やして、憎きパンダを駆逐したのだそうだ。
雑誌に載ってた写真を見ると、青アザみたいな跡が残ってるし、よく見るとうっすらパンダ柄が残ってるんだけど、本人は大満足らしい。めでたしめでたし。

男の人の刺青は、恐いのであまりマジマジと見た事がないが、好きなサッカーチームのロゴなんかを入れてる人が居るらしい。あと、アメコミみたいなヌード女性柄もアリ。
皆、ものすごく気軽だよなあ。機械で彫ると、あんまり痛くないからなんじゃないだろうか?と思うけど。


 

大学入試はとんち問答


先日、ケンブリッジ英検のProficiencyレベル(最上級レベル。英検一級より高いレベルかも)のテストを受けてきた友人が、「あの面接試験、カンベンしてほしいわ!」と言って怒っていた。
彼女がそのテストを受けるのは今回で二回目。前回のテストで落ちたのは、面接官と一対一で行われる口頭試験のせいだったと言う。
彼女の話によるとそのテスト、面接官が絵か写真を見せて、それについて話すんだけど、前回のテストでは
「マンホールの上にピンク色の犬がいる」という写真だったんだそうだ。
で、「この写真を見て、おかしな所を言いなさい」と質問されたそうだが、jそこで「えーと、犬がピンクです・・。」だけしか言えなかったら、もうそれでアウト。気のきいたジョークを言うか、突飛な発想で話を広げていくかしないと即不合格。もう、とんち問答の世界なんである。

今回のテストも、数人の男女が立っているだけの写真を見せられて、「この写真について描写しなさい」と言われただけなんだそうだ。これって英語力というより、いかに機転がきくか、すなわち頭の回転の速さの方を見るテストだと思いませんか?こういうのって、努力だけでは補えないだけ厄介。一概には言えないけど、どちらかと言うと日本人には不向きな試験だと思う。

実際、こちらの大学入試試験もとんち合戦なのだ。
特に「オックスブリッジ」(オックスフォードとケンブリッジ大学)の面接試験は超くせものだと言う。

去年のことだったか、或る女子学生がオックスフォード大学を受験し、筆記試験ではトップの成績だったのにとんち面接で落とされ、「公立高校の出身だから差別された」と訴え、社会問題にまでなったのは記憶に新しいところ。
実際、オックスブリッジの学生の出身高校はほとんど私立。いいとこのボンボンかお嬢さんばっかりなんである。
ちなみにその女学生、その後ハーバード大学に首席で合格した。優秀な学生をゲットできて、ハーバードは大喜びだったと言う話。こういうのって、学生の事とは言え、立派な頭脳流出よね。

面接の内容はと言うと、「イルカと人間の赤ん坊のどちらかを銃で撃ち殺さなければならないとしたら、どっちにするか?」とか、そう言う感じ。
新聞記事によると、オックスフォードの法学部の面接試験では、受験者の女子学生に対して「君は非の打ち所のない成績だから将来は優秀な弁護士になるだろうが、所詮結婚や出産で一時的に仕事を中断する事になるだろう。それなら男子学生を選んだ方がいいな。」などと、日本企業のセクハラ面接並みの事を(意図的に)言ったりするんだそうだ。
そこで、シレッとして「あら、心配ご無用。私はレズビアンですから」と答えて、面接官を驚かせた後に、ニッコリ笑って「ウソですよ」と答えた女子学生は、見事合格したんだそうである。
こういう試験に強いのはのびのびとした環境の中で育った私立校出身者で、結果として公立校出身者の合格率が低くなると言う穿った見方もあるんだが、どうなんでしょうか?

別に世の中全てが平等になればいいと思っているわけではないけれど、日本みたいに努力さえすればある程度は報われる試験の方が公平なんじゃないかとは思う。社会が不平等に出来ているのは当然のこと。努力さえすればなんとかなるのなんて学校ぐらいなんだから、そのぐらい普通にしてあげてもいいんじゃないかと思うんだけどなあ。

ケンブリッジ英検を受けた友人からは、まだ試験の結果を聞いてないんだけど、トンチの苦手な同胞の合格を祈っています。


追記;今年度〔2002年)の新聞でも、イギリスの有名大学の入試が「そもさん!」「せっぱ!」だったというニュースが報じられていました。(以下、「ジャーニー」より抜粋)

「アプリケーション・リサーチ」という会社が、昨年オックスフォードとケンブリッジを受験した学生千人に調査を行ったところ、ケンブリッジの入試では、「月はチーズでできているか」と質問したり、面接官が受験生に、「君の踊りを見るよう、私を説得しなさい」と求めた例があったそうです。

オックスフォード大学では、有名メーカーのシャンプーと、スーパーマーケットの自社ブランドのシャンプーを比較するよう求めたり、「頭の重さの量り方は?」「テレビドラマ”Taggart”は、グラスゴーの実態を描いているか」などの珍問があったとのこと。

オックスフォード大学広報担当者は、「こうした質問は、論理的に議論し、自分の考えを理路整然と述べる能力を試すためのもの」と説明しているそうですが、全ての学部で議論の能力が必要だとは、私にはどうしても思えないんですけどね。

日本の場合、広告代理店の入社試験などはこの手の面接を課しているところがあるそうです。こんな珍問を突破してきたオックスブリッジの学生なら、電通や博報堂の入社ぐらい、まず堅いでしょうね。

 

英国人エリートのアジア観

 

チョップスティック・クラブ」という会の定期集会に参加してきた。
「チョップスティック・クラブ」は、中国に関心のあるイギリス人の集まりなんだが、中国人も参加しているし、私や夫の様な外国人も居るのだ。

中国語の話せる英国人に会うと、あらゆる意味で彼らのレベルの高さに驚かされる。
「第三世界」(共産国も第三世界に入るの?「三国人」発言とは違う意味なので、誤解なきよう・・・)に関心を持っている事自体が、西欧ではインテリの証なんだろうけど、中国語の能力と言い社会的地位と言い、この会の参加者のレベルは異様に高い。
男女問わず、弁護士や国家公務員、大使館勤務、一流企業のアジア担当者とかばっかり。それに、みんな中国語上手すぎ!舌、巻きすぎ!

(※ほぼ全員が留学や駐在で中国大陸に滞在していた経験があるので、彼らの中国語は台湾人の「台湾国語」とは全然違うのだ。標準北京語は、すごく舌を巻いて発音する。私が中国語を喋ると、いつも「台湾訛り」と言われてしまう。)

私と夫の様なボンヤリさんがこんな所に紛れ込んでいていいのか?と疑問に思いながらも、北京ダックをくるむ手は緩まないところが図々しい。うまっ!

今回は「エコノミスト」誌の香港・中国特派員の、ドミニクと言う人のスピーチがあった。
テーマは「中国大陸における都市部と地方の経済格差について」。
その後、「北京でのオリンピック開催は是か非か?」というテーマでの会員同士のディベートがあってなかなか盛り上がったのだが、私はちょっと引っかかる物を感じていた。

帰りの車の中で夫に、「あのディベート聞いててどう思った?」と聞いてみた。彼曰く「ちょっと、Condescendな感じだった。」
そう、私が言いたかったのは正にその感じなのだ。

「Condescend」は日本語では一語で言い表す適切な言葉が無いんだけど、「自分達よりレベルの低い立場まで下りていって何かしてやる」という感じ。威張らずに目下の立場に立ってあげるという意味では悪いとも言い切れないけれど、「Condescend」な言動の背後には、確実に優越的な立場(或いは単なる優越感)が存在している。
西欧社会の人間がそれ以外の国について語る時、啓蒙的な態度になるなと言う方が難しいし、彼らをその様に見てしまうのは、非欧米圏の者の僻みと偏見から来ていると言えなくも無い。
しかし、単に「どうせ私達のことなんか見下してるんでしょ。黄色いサルで悪かったわね、フン!」と言っている訳でもないのだ。
現に、「エコノミスト」誌のジャーナリストのスピーチと、ディベートの際に述べる意見の内容からは、「Condescend」な雰囲気はほとんど感じられなかった。
全ての西欧人が、「Condescend」して、非西欧社会と付き合っているのではないのである。
中国の(発展途上国の・非西欧社会の)目線まで下りていって「あげている」という優越感が滲み出てしまう英国人も居れば、そうでない英国人も居る。それでも一般的に見ると、前者の方が多数派であるのは否定できない。

日本人が日本以外のアジアの国に対して発言をする時も、一見友好的に見えても、単なる優越感からくる寛容さでしかなかったりする事が多いのだが、西洋人の場合、第三世界とそこに住む人間を、全く純粋に「研究対象」として観察し意見を述べている様な、体温の低さを感じる事がある。
何と言うか、珍種の動植物の生態研究をしてるみたいな感じ。興味も愛着も特別な思いも、それはたっぷりあるのだろうけど、その中に分け入っていって一体になりたいとか、毒を食らわば皿までの感情ではないのだ。

「私は馬が好きです」と聞いただけで、乗馬が好きなのか、馬の生態を研究しているのか、競馬が好きなのか、牧場経営者なのか、馬刺しが好きなのか、はたまたゾフィリア(動物を性的対象として見る人々)なのか、わかるわけがないし、同じ馬好きでも、お互いに何の接点もないのである。
(こう書くと「中国人を動物扱いしている」などと言う人が時々居ますが、全然違います。「日本が好きなの」という外国人も居るのですよ・・・)

戦争のような特殊な状況下は別として、やはり同じ顔かたちをしている人間に対しては、そういう見方はできないものではないだろうか、と思ったりもした。
冷たいと言う事ではない。
彼らは、自分たちの住む世界か、せいぜいヨーロッパ、アメリカあたりまでしか関心のない一般的英国人よりずっと視野も広いし、中国やその他のアジア諸国の「為になる事」をきちんと考えている。
ま、その「為になる事」=欧米化=グローバル・スタンダードだと信じて疑っていない人たちに、それは思い上がりだとか言ってもなあ。

今回の会合に出ていた様な知性の優れた人々は、全世界的に同じような傾向があるんじゃないかと言う気もするんだが、どうだろうか?

 

ハロッズ探訪記


日本の友達から、「ハロッズでバッグ買って送ってきて」と頼まれた。お土産で有名な、ビニール製のやつ。がってん承知!とばかりに行ってきました、ハロッズへ。
ところがところが・・閉まっていたのだ!!
すっかり忘れていたけど、「大英帝国の伝統を守り続ける」ハロッズは、日曜はお休みなんでした。あ〜、もうっ!最近は、日曜も開いてる店が多いって言うのに・・。
私はいいけど、(ホントは良くないんだが)予定を組んでわざわざ来た観光客の身にもなってやれよ、と思う。
今日も曇り空の下、呆然と店の前で立ち尽くす観光客が大勢居た。
仕方なく、建物の前で写真だけ撮ってしょんぼり帰ったりしてたけど、可哀相じゃないか!
クリスマスシーズンになると「稼ぎ時だから」というだけの理由で、日曜日も開いてるくせに・・・。

ハロッズと言えば、「英国皇室御用達」と「ダイアナ妃のボーイフレンドで、共に事故で亡くなったドディ氏の父親が経営」のデパート。
穴のあいたジーンズでの入店禁止、バックパック禁止、リュックも、肩から下ろして手に持って入店しないといけない・・というバカみたいな規則がある。
リュックをしょって入ろうとすると、警備員に呼び止められて「肩からおろせ」と注意されるので、皆さん、気をつけましょう。

まあ、こういった規則は、アッパークラスの面子を保つ為の儀式みたいなものなんだろうけど、映画「テイタニック」の主演女優のケイト・ウインスレットが穴あきジーンズで来店した時も入店を拒否されたというから、なかなかの筋金入りだ。しかも映画が大ヒットした直後。

ケイトが「私が誰だか知ってるの!タイタニックの主演女優よ!」と、水戸黄門の様なセリフを言ったのに対しても、「それがどうした。ダメなものはダメ〜(←ウルフルズ調に)」と言ったというのは、なかなか良い話である。セレブリティでも平等に規則を守らせるのはエラい。
と言っても、ウイリアム王子が穴あきジーンズで来たら、やっぱり入れるんじゃないのか?と思うけどね。
ケイトはその当時、「裁判で訴えてやる!」と息巻いてたが、一体どうなったんだろうか?

ダイアナ妃のボーイフレンドだったドディ氏の父親で、ハロッズの経営者であるアルファイド氏は、かなりユニークな人物だ。
彼は今でも「息子は英国皇室に謀殺された」と訴え続けているが、それには色々と裏事情がある。
日本でも報道されていたと思うが、アルファイド氏はエジプト出身。
英国を代表するデパートのオーナーであると言うのに、彼が未だに英国国籍を取得できないでいるのは、有色人種である彼に今以上の権利を持たせる事に対する牽制だと言われている。アルファイド氏の訴える様に、人種差別的な背景も多分にあるのではないかと思う。
確かに彼が英国籍を取得したら、政界への進出も充分に考え得る。
英国でかなりの割合を占めるアラブ系移民の底力がアルファイド氏によってコントロールされれば、政治的にかなりの影響力を与える事は必至だ。息子の死後、過激な皇室批判で知られる彼は非常に厄介な存在でもあるし、これ以上彼に発言力を持たせるのは危険・・と考えられているのは確かだろう。

今まで英国皇室では、ハロッズでクリスマス・プディングを購入していたのだが、一昨年の暮れから、大手スーパーの「テスコ」のクリスマス・プディングを「英国皇室御用達」に指定してきたのだそうだ。これはエリザベス女王の決定だったらしい。あわれ、ハロッズ。
他の王族たちも次々に他店を指名し始め、ハロッズのかつての権威は地に落ちつつある。今や本当に「観光客御用達」の風情だ。

高いトイレでも有名なハロッズ。トイレの入り口で従業員から、「ハロッズカードは持ってるの?レストランで食事をしたの?」と尋問され、「ノー」と答えると1ポンド払わされる仕組み。1ポンドといえば、170円くらいだ。そのくせ、狭くて大してキレイでもない。
個室のドアを閉めようとすると、洋服が便器に触れるぐらい狭いのもどうかと思う。
ドアには「流しましょう」「トイレから出たら手を洗いましょう」「右側のドアから外に出ましょう」という、バカげたインストラクションが付いている。
客が流さなかったら従業員が流しとけよ!その為に1ポンドも取ってんだろうが・・と思う私。もちろん私は流しませんでした。(ウソよ☆)
それにしても、座って化粧直しが出来るスペースも無いし、床はゴミが散らかってて汚いし、全く行き届いてない。
新宿駅の有料トイレ(100円)の方が数倍素晴らしい。
ハロッズトイレが唯一誇れるのは、手を洗う所にイブ・サンローランなどのブランド香水を置いてる点ぐらい。
それを客が使いまくるせいか、トイレ臭と熱気で蒸しあげられたような香水の匂いが入り混じって、なんとも言えないイヤな空気を醸している。
授業参観の日に、大量におしかけた母親達が使用した後の、学校のトイレのニオイ。私は速攻で出ました。

でも、確かに観光のしがいはある所だ。
アルファイド氏の意向なんだろうが、ハロッズのインテリアって、ものすごいエジプト趣味。
あちこちにエジプトの彫像が置いてあるし、ツタンカーメンみたいな黄金仮面が飾ってあったり、デカいはりぼてのスフィンクスがで〜んとあったり。装飾も金ピカで、「成金の邸宅訪問」っていう感じ。「英国王室御用達」の優雅なイメージを抱いて来た人たちは、結構びっくりすると思う。

一階には、「ドディとダイアナ妃のメモリアル・プレイス」と言う変なディスプレイがあって、二人の写真がば〜んと掲げてある。
ハロッズの店内は写真撮影禁止なんだけど、その場所だけは記念撮影してもいい事になっていて、観光客が、ドディとダイアナの写真と共に「チ〜ズ」とかやってるわけだ。なんか、サムい・・。