「TURNER PRIZE」2003年度の受賞結果が、先ごろ発表されました。
今年の受賞者は、陶芸家のGrayson Perry氏。
彼の作品は現代社会の抱えている問題や、彼個人の体験を主題として扱っています。一見したところ、美しい色合いの優雅な陶器に見えますが、描かれているのは、戦争、死、幼児虐待と言った重たいテーマです。
しかし、今回の受賞で話題をさらったのは、なんといってもPerry氏本人のプロフィールでしょう。Perry氏は、心理療法士の妻と娘を持つ、43歳の男性
です。しかし、3歳の時に異性装に目覚めたと言う、筋金入りの衣装倒錯者でもあります。
今回の授賞式にも、彼の分身であり親友である「クレア」として出席し、会場の人々を驚かせました。↓
お父さぁーーん!

森村泰昌さんとは違いますよ。この人は、プライベートで女装しているんです。この方の場合、女装というか「女児装」って感じですけどね。
ちなみに、今回の衣装代は2500ポンド(約45万円)とのこと。悪いですが、そんなに高くは見えません。
それはともかくとして、「プライヴェート・ライフを晒す事も芸術のひとつ」という考えは、全世界的に流行しているんでしょうかね?
Perry氏も今回の受賞式の際、メディアに対して赤裸々な告白をしていました。(いや、前からあちこちで話していたのかも・・・)
「初めて陶器のレッスンを受けたとき、ゴム素材のスモッグがキツく身体にくいこんで・・興奮しました」とか、
「5歳の時に両親が別れてから継父となった間男にいじめられて・・・」などなど。
初リピドーから自身の身の上話までの、大サービスです。
作者の生い立ちなどの解釈がつく方が、作品に説得力が加わるものなのでしょうか?
「傷ついた幼児体験が無い人が描く幼児虐待の絵よりも、虐待経験があってカウンセリングを受けてた人の描く絵の方が切実さを伴っている分、深みがある」・・・とか。
個人的には、 何の知識を持たずに見た人であっても、感覚の奥底を揺さぶられる様な作品こそ評価されてほしいと思うんですけどね。(Perry氏の作品がそうでないと言っているわけではありません、もちろん。)
それはともかくとして、今回のPerry氏の受賞に対し、「
衣装倒錯者が芸術界で権威ある賞を!」と言う表現が聞かれました。英国はゲイには寛容な国なのに、中年男性の女児扮装は、まだ理解の範疇外なのでしょうか。
そう考えると、藤野千夜さんが芥川賞を受賞している日本は、意外と開かれた国なのかもしれません。
いや、藤野さんのは普通の女装だもんね。「女児装」は、やっぱりちょっとアレなのか・・。(2003.12.10記)
賞金の2万ポンド(約350万円)を受け取るperry氏。デカいです。↓

「賞金の一部は、"クレア”の衣装代にも使いたい」とのことでした。
↓クレア嬢の晴れ姿

※「衣装倒錯」という表現は適切でないかもしれませんが、単なる呼称として使わせていただきました。
参考サイト:BBC
TATE GALLERY
GUARDIAN