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2002.11.29.
26日に観に行った京劇が何故ダメだったか?
@「××中国人老人会」という所に主催されていただけあって「有志による手作り公演」の趣強し。おまけに、「××(地域名)にて、初めて京劇上演の運びとなりました」とのこと。そのせいもあって、開催の手際が非常に素人っぽい。
例えば、上演前にスタッフが各席を回って手作りのスピードくじみたいなのを配っていたのだが、そのせいで上演時間が大幅に遅れた。このスピードくじの結果は休憩時間に発表されるのだと言う。どうやら、客を途中で帰さないための工夫らしい。
で、当選した際の景品はと言うと、・・・・
「ヘア・ドライヤー」「電気ケトル」「トースター」「スチーム・アイロン」と言った、超ドメスティックな品揃え。
しかも、これらの景品も有志による提供らしく、リーフレットの一面をバーンと使って、誰がどの商品を提供したかの詳細が、長々と書かれている。特に欲しい物も無さそうだと判断し、くじを引くのを断っている客も多かった。もちろん、私達も不参加。
困ったのは、その景品が、舞台の左側前のテーブルの上に山盛りに積み上げてあった事である。
あのー、舞台鑑賞の邪魔なんですけど・・。
「手作り公演」の素人っぽさがいつも悪いというわけではないが、それによって舞台の興が削がれるのは嫌だなぁ。
A開演が遅れたのに、関係者の挨拶の言葉が長い。
まず、ものすごく訛ってはいるが、一応英語の話せる中国人女性が司会に立ち、英語で簡単に舞台の内容をスピーチ。これはまだ良し。スコットランド人のお客さんも結構来てたし、私と夫も以外にも、以前英語学校で一緒だった外国人の友達も数名来ていたし。
でも、その後がまた長いんだわ。
「老人会会長先生の挨拶」「主催スタッフと役者の女性が雑感を語り合う」など、どれも広東語で、しかもすごく長い。わからない・・つまらない・・。
まぁ、広東語しかわからないお年寄りの為に催されている事を考えれば、我慢しなければなるまい。それにしても、会長先生がカンペを見ながら長々と、「お世話になった皆さん」の名前を読み上げるのには参った。謝辞で義理を立てておかなければならないんだろうけど、義務教育の式典で「校長先生のお話」「教頭先生の挨拶」「PTA会長のお言葉」を延々と聞かされるのに似ている。
それをまた先ほどの司会者の女性が一応英語に訳す。
しかし、訳されたところで知らない人の名前の羅列だからなぁ・・。ますますつまらない。
なんにつけ前置きが長いのは、東洋人の特色なんだろうか?学生時代、長すぎる朝礼で何度か倒れた記憶が甦ってきた。
Bやっと、やっと舞台が始まった!と思ったのだが・・あれ?何か変。
男性の役者のマイクの音が異常にデカく、その人が熱唱すると、マイクで割れた大音量の声で耳がつんざかれそうになる。
一方、相手役の女性のマイクはほとんど役に立っておらず、全然声が聞こえない。
二人が近づくと、男の着用しているマイクがいきなり女性の声を拾うので、突如女性もデカい声になるのだが、離れるとまた小さな声に・・。
あ〜〜〜〜っ!音響の人、何とかしてよっ!
更なる問題は、大音量の男の役者がかなり音痴だったと言う点だ。
女性の方は結構上手なのに、マイクのせいでほとんど声が聞こえず、下手な方の歌ばかりが響き渡っている。
男が歌うたびに、隣に座っていた子どもが耳を塞いでいた。
C次に出てきたのは、黒地に金ラメがギラギラとまぶしいパンツ(ややベルボトム気味)ルックのおばちゃんと、イヴニング・ドレスを着た若めの女性。何かと思ったら、おばちゃんが男、お姉さんが女という設定で、「愛し合うが別れなければならない恋人同士」のやり取りをするのである。
・・・・・キツい。
だって、ラメの服着て髪におばちゃんパーマをかけた50歳ぐらいの女性と、その娘ぐらいの女性が愛し合う男女を演じるって!いくらなんでも無理があると思いませんか?背景の絵は中国の建物とかなのに、二人とも思いっきり洋装というのもアレだし。
救いは、二人が演技らしい演技はほとんどせず、歌を聞かすのがメインだった点。ところが、こちらもおばちゃんの方の歌が・・。チャイニーズ・オペラを勉強した事はある人だと思うけど、絶対プロじゃないと思う。この舞台がまた長くてねぇ
・・・。本当に苦行でした。
D次の幕。予定では最後に上演される筈の演目がここに来ていた。え?こんなに早くトリの演目をやっちゃうの?
これも駄目だったら最後まで待ってても良い事は起こりそうにないので、これを見てから帰るか帰らないかを決める事にした。
結果>この演目が終わった後の休憩時にそそくさと退散。
最悪とまでは言わないが、またしても女二人で男女を演じていた。片方の女性は割と上手だったが、無理して低い声を出している男役の女性の音程が、不安定極まりなかった。
むしろ積極的に「音痴」と言ってもいいレベルで、聞いていて何度も冷たい汗がわきの下ににじんだ。
それと、長い話なのにストーリーが全くわからないのが致命的だった。台湾ではよく京劇を観に行ったものだが、いつも脇に「手製の字幕」が出ていたので、内容は大体わかっていたのだ。セリフを言う度に黒子が紙をめくるの。あれは便利だったなー。もしかしたらあの字幕制度は、複数言語の民族が共生している台湾独自のものだったのかもしれない。
とは言うものの、今回の上演会でも英語世代の若い子達も来てたし、スコットランド人や私達の様な外国人も来てたんだから、英語の字幕がついててもよかったんじゃないかと思う。
歌よりもセリフの方が長い劇で、内容が全然わからないのは退屈極まりない。
周囲のお年より達は、セリフを聞いて笑ったりしていたから、広東語がわかれば少しは面白かったのかも。あぁ・・。
休憩時間に入り、「くじの抽選会をしますので、皆さん席に着いてくださーい」と言うアナウンスを背に、会場を後にした我々。普段ならそういう事は「演じる人に対しても失礼!」と言う気があるのだけど、今回はそういった罪悪感はなし。
何故なら、プログラムによると、その後の演目も全部 「女性の二人組みによって男女のラブ・ストーリーが演じられる」と書いてあったから。男役不足なのはともかく、女性が男役を演じてしかも音痴では、とてもじゃないけど歌劇の世界には入り込めません!
今回出向いた収穫は、会場いっぱいの中国人を見られた事。
こんなにたくさんの中国人が一堂に会するのを見るのは、ロンドン以来だ。なかなかの壮観。こんな田舎でも、中国系移民の人たちは連帯しているなぁと実感した。ほとんどの人たちが知り合い同士みたいだったし、親戚も含めた大家族で来ている人達も沢山居た。
そんな所からでも、「生きる為の手段としての移民」という概念の希薄な日本人在住者と、「後の世代までその土地に根付く」という彼らとの覚悟の差が垣間見れる気がしたのであった。
とは言っても・・異国で食べる日本料理と同じで、こういう時ってやっぱり損した気分になるものだ。高い!遅い!まずい!って感じ?う〜。
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