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2004.1.15
年末年始にかけてフランスに行ってきた。
今回は夫がインフルエンザにかかったり、ウィルスに感染すまいとビタミンCを摂取しすぎた私が水下痢に襲われたり(またか!)で、色々と後悔の残る旅となってしまった。
旅の最後に、軽く自己嫌悪に陥るエピソードがあった、帰途、パリのシャルル・ドゴール空港で、お昼ご飯を食べた時のこと。
空港とは言え、パリのレストランなら何か美味しいものがあるのではと思い、「カフェ・マキシ」でランチをとった。レストランのマキシには行く機会が無くても、カフェの方なら手頃な値段だし、メニューにも
純粋なフランス料理が結構入っている。落ち着いた雰囲気は全く無いものの、カジュアルな格好で誰でも入れるのは、空港ならではかもしれない。
食事(フランス名物・ステーキ・タルタル。生の牛ひき肉に生卵をかけた物。グロいけど、おいしい)中、非常に派手な東洋人女性(推定50代)が店に入ってきた。
フェルトみたいな帽子に1920年代のモガっぽいボブ・カット(岡本かのこ風)。ぶ厚い毛皮のコートに、超ミニスカ&ものすごく踵の高い赤のハイヒールといういでたち。
「花の都・パリ」を意識したのだろうか?
結果として、大屋政子にも似た、かなり大げさな事になっていた。
昔で言う"洋行帰り
のご婦人”的な大時代的な雰囲気だ。「おフランスなんだし、パリジェンヌに負けないお洒落を!
」と張り切ったのかもしれないけれど、普通の格好の外国人旅客達の中では、却って悪目立ちをしている印象だ。
中国大陸辺りのお金持ちかちらん?などと勝手な事を想像しながら生肉を貪り食っていたら、遠くから「あーた、こっちにした方がいいわよ!」と、紛れもない日本語が聞こえてきた。
声の主はもちろん、岡本かのこ+大屋政子風ルックの女性。連れの泉ピン子系夫人とその娘らしき女の子と喋っているらしい。
それにしても、声がデカい。かなり離れた席なのに、その人の声だけ聞こえてくる。(連れの声はあまり聞こえない)
この事は結構ショックだった。何がイヤだったって、外国で同胞を見かけた時に不快感を示す日本人(日本人に限らないけど)を軽蔑していた自分が、同じ様な感じ方をしていたこと。
他人は他人、しかも大いに赤の他人なのに、外国の人達から「同じ日本人」と見られるとなると、「違います」と言いたくなる事って、やっぱりあるものだ。
毛皮婦人から見たら、カフェとは言え 、普段着でマキシに来ている私の方が、よほど恥ずかしい同胞なのかもしれないのに、同じ日本人の方に対して私ごときが鼻持ちならない見方をする権利があるか?答えはもちろん、ノン!(←かぶれ)
反省気分を抱えながら食事を終えてチェック・インの列に加わると、そこには更に沢山の同胞の皆さん達が並んでいた。どうやら、JALの帰国便に搭乗する方々らしい。
「これから皆さん日本に戻られるのですね。羨ましいですわ!」と、先ほどとは打って変わって、同胞に暖かい視線
を注いでいたところ、後方からまたもや日本語が聞こえてきた。
「あそこに並んでる日本人のバアさん達、エラく田舎くせーなー!」
発言者は私の心の声ではなく、私の真後ろに並んでいたオヤジ。列の前方に居る年配の日本人団体客を指して色々言っているらしい。
続いて、「シーッ!聞こえるわよ!」(娘)、「そんな事言っちゃ、悪いって!」(妻)という声が・・・・。
私も「そうそう!同胞を悪く言うものではありませんよ!」と、数分前までの自分を棚に上げ、正義感に満ちた心持ち
になる。気になって真後ろに耳をそばだててみたところ、このオヤジ(関西弁)、更にこんな主張をぶちあげていた。
「何も悪口言ってるわけじゃないやろ!本当の事を言って何が悪い!」
「あれだから、モンゴリアンは困る!」
政治家だったら、失言騒ぎで即失脚しそうな勢いだ。(ちなみに、モンゴリアン=モンゴル人、モンゴロイド=黄色人種全般)
ここまで他人のルックスを批判するなんて、どんなにお素敵なおじさまかしらね!と振り返ってみたところ、伊東四郎似のオヤジが立っていた。バーバリーのマフラー巻いていれば何を言ってもいいってもんじゃないよ!
数分間の観察によると、この家族はパリ留学中の娘とその両親で、冬休みを利用して娘に会いに来た両親を、娘が空港に見送りに来ていた様であった。
人の事はあれこれ
言うまいて・・と思いつつ、留学中らしき娘さんの、赤のベレー帽にアラレちゃんメガネ(古)という スタイルが気になってしまった私。
パリと言う土地は、東洋人に「洋行」を意識させる最後の聖域なのかもしれない・・とうっすら考える。
私は、「誰でもオシャレをする権利がある」と言う、ファッション平等主義に異議を唱える者である。例え高価な服であろうと、一般にオシャレと言われるアイテムであろうと、自己主張の激しい物を身につけてそれが似合っていないよりは、ごく目立たない格好をして周囲から浮いていない方が百倍マシと言う考えだ。
世の中、オシャレな物を着ていてそれが似合ってる人なんて、本当はほんの一握り。残りの平民は恥ずかしいからオシャレなんかするな!とすら思う。
毛皮やハイヒール、ベレー帽やバーバリーがパリの空港という場所に相応しいという見方もあるが、私にとってそういうのは、パリを舞台に見立てたコスプレ。似合っていないコスプレって、この世で一番許されないファッションな気がする。
私の考え方は多くの同胞の方々の怒りを買いそうな気もするけれど、外国で見かける同胞が気になる点はお互い様。
所詮は、私も伊東四郎似のオヤジも目くそ鼻くそ(汚い)。昔は尻に蒙古斑のあった者同士、全てを許しあいたいの に・・・モンゴロイドの世界では、脱亜入欧の時代がまだこれからも続くのでしょうか?
自分の心の狭さを見つめなおした今回の旅の終わりに、ふさわしい出来事であった。その他の反省事項は、また次回ね。
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