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2005.8.22.
昨晩、「The Big Eat」(Channel4 夜10時〜11時)と言う番組を見ました。
大食い・早食い大会と言えば、古くはわんこそば大会、近年は「TVチャンピオン」を代表とするバラエティー番組などで、日本では一般によく知られた競技(?)と言えるでしょう。
ニューヨークで毎年行われている「ネイサンズ・国際ホットドッグ早食い選手権」での日本人の活躍ぶりは、世界的にも有名です。
なにしろ、1996年以降の大会覇者はほとんどが日本人。
2001年以降は、UFFO(United Food Fighter Organization。公式サイトはこちら)代表の小林尊さんが全大会を制覇し、他の候補者を全く寄せ付けない世界記録(12分間で、ホット・ドッグ53.5個を完食)を保持しています。
小林さんは、10日前に香港で行われた「大食一番争覇戦」でも、12分で叉焼包100個を平らげて圧倒的な強さで優勝したばかり。
既にフード・ファイト界の聖域に入った感のある活躍ぶりです。
大食い、早食いの類は、イギリスではまだまだマイナーな競技です。と言うより、競技と言う認識すらなく、イメージ的には学生のビールの一気飲みか、田舎で行われるイベント程度が関の山でしょう。
一方日本では、給食の牛乳早飲み男子に始まり、早食いや大食を極めている人を「豪傑」とみなす傾向があると思います。
日本の場合、一般の飲食店でも、特大ラーメンや大盛りカレーを食べきると無料と言うオプションの店が、結構沢山ありますよね?
考えてみると、イギリスでそういう事をやっているお店を見たことがありません。
「The Big
Eat」は、全英ポーク・パイ(※)大食いコンテストで優勝した男性が、英国代表として「ネイザンズ・国際ホット・ドック早食い選手権」に参加するまでの過程を追ったドキュメンタリー番組です。
※イギリスのポーク・パイについては、こちらのページをご参照下さい。
この番組の放映中、私達は遅い夕食の最中だったのですが、番組が開始した途端夫から、「オエー!早食いとか大食いとか食事時に止めてくれよ!気持ち悪い!」と言われてしまいました。
「そんなに気持ち悪いってほどじゃ・・」と言いかけたところ、早食い中に胃の中の物を逆流させている参加者の姿が画面に映し出され、気まずい思いをさせられました。
ところで、「全英ポーク・パイ大食いコンテスト」ですが、何故あんなにも規模が小さいのでしょうか?
どこかの公園みたいな空き地に小学校の運動会の審査員席の様なテントが張ってあって、それが競技会場。観客も、即席のパイプ椅子みたいなのに座ってて、ローカルなイベントにしか見えませんでした。
英国内でそのイベントの告知自体がきちんと行われていたかも不明ですし、そんな中で一位だからと言って、いきなりアメリカの国際大会に参加するのは無謀とも言える試みです。
実際、優勝者の男性ロブ・バーンズさんは、アメリカでの大会参加に対して全く自信無さげでした。
ロブさん自体、ちょっと弱弱しい感じの中年男性で、ポーク・パイの大会で優勝したのも、何かの奇跡じゃないかと思えるぐらいでした。
更には小学生ぐらいの娘と息子から、「みっともない」「恥ずかしい」と言われて口もきいてもらえなくなるしで、「挑戦自体が
挑戦」とでも言うべき、辛さいっぱいのムードです。
ロブさんの子ども達が大会出場を嫌がるシーンを見た夫が、
「子どもから嫌がられたって当然だよ。
親が大食い(早食い)選手権に出るなんて、自分の母親が現役のポルノ女優だって言うより恥ずかしいよ!」
などと言うので、私はつい「惑星からの物体X」を見るような目で夫を凝視してしまいました。
ヨーロッパ全てがそういう価値観だとは思いませんが、アメリカや日本に比べると、イギリスやフランスで大食い覇者の肩身が狭いのは確かだと思います。
ロブ(全英ポーク・パイ大食いコンテスト優勝者)は、番組を盛り上げる都合上日本に向かい、「マスター」である小林氏を訪ね、フード・ファイトへの心構えを伝授してもらいます。
ちょっと気になったのは、ロブさんが電車に乗って小林さんに会いに行くシーンのBGMがピチカート・ファイブの「優しい木曜日」だった点です。野宮真貴とフード・ファイトって、未来永劫交わる事の無い組み合わせだと思います。
日本で「聖人」小林氏に謁見したロブさん。若いながらも、世界チャンピオンの風格漂う小林氏から、
「奥歯で噛むと顎が疲れてくるので、前歯で噛み切って飲み込む様にします」
「12分間、絶対に集中力を切らさないで下さい。集中が切れると、ソーセージの脂っぽい味が気持ち悪くなって、続けられなくなります」
「恥ずかしいと思わず、大会を楽しんで。楽しめば、記録は後から付いてきます」と言ったアドバイスを貰います。
私も、「大食いや早食いを他人の面前で行うのは恥」と言う観念が、競技の場ではハンディとなる事に初めて気が付きました。
気が付いたからと言って私には何の役にも立たないのですが、一つの事を極めた方の言葉を聞くと、必要なくてもいちいちハッ!とさせられるものです。
そして、不安と期待を抱えながら迎えた「ネイサンズ・ホットドッグ早食い選手権国際大会」の当日。
マスター・小林から直々の指導を受けたロブさんの結果は・・・・・!!
最下位でした。
今年の大会も制覇した小林「TSUNAMI」尊さんは、12分間でホット・ドッグ49個を完食。
2位のアメリカ人女性、ソニア「Black Widow」トーマスさんの記録は37個。
参加者16人中最下位だった英国人ロブさん(リング名無し)の記録は、10個でした。
大会前にロブさんがホット・ドッグを試食している様子を見たら、1個食べるのも苦しそうで、「まさか私より小食なのでは?」と心配になったぐらいでした。そ
れを考えると、10個だって大したものです。
結果はアレでしたが、ロブさんは世界大会の雰囲気が気に入った様子で「来年もまた参加したい」と話していました。それほどドラマティックな展開も無いまま
、エンディング・ロールが流れて番組は終了。
私が気になったのは、大会2位だった女性参加者のソニアさんです。
アメリカでの国内チャンピオンで、女性ファイターとしては世界チャンピオンでもありますが、本当に小柄で華奢なアジア女性なんですよ!
ソニアさんの公式サイトを拝見したところ、
「10分間でチキン・ナゲット80個」
「6分40秒でゆで卵65個」
「10分間で牡蠣552個」
などの驚異的な大食い記録が、沢山掲載されていました。
大食いと言うフィルターを通してみると、欧米人にとってアジア人が謎めいた存在に見える理由が、なんだか少しわかる様な気がします。
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