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2006.5.24
「Attention Seeker」と言う言葉があります。
常に周囲からの注目を集めたがる人のことで、単なる目立ちたがり屋と言うよりも、「構ってちゃん」のニュアンスです。
ビッグ・ブラザーには、毎年必ずAttention Seekerな人材が混ぜられています。
大概は、自分が場の中心になれない状況に2、3日目で耐えられなくなって中途で自主降板したり、脱落者投票で真っ先に落とされてしまいます。
※「Big
Brotherについては、雑魚が消えるまで書かないと言ってたのに・・」と言うお声が聞こえてきます。あちらからもこちらからも、更には自分の耳元からも。
でも、今回書きたいのはビッグ・ブラザーについてではなく、別の話なのでお付き合い下さい。
今回のシリーズのAttention Seekerは、38歳のパキスタン系ゲイ男性のShahbazで、二日目からめそめそ泣い
たり怒ったりしていました。
大した理由も無く腹を立てて部屋を飛び出したり、皆が慰めに来てくれるまで赤ん坊の様に泣き続けたり、苛立ち紛れにハウスメイト達の当面の食料をこっそりゴミ箱に捨てたり
と、15歳までしか許されない様な行為をし続け、約1週間が経ちました。
怒ったり泣いたりする原因は、どれも常人には理解できない些細な事ばかりです。
皆からダンスに誘われた途端、「踊りたくないんだ!」と言って部屋を飛び出し、トイレに長時間こもったり、誰かが自分を押して、よろけた所を笑われたと言って
、ベッドでおいおい泣いたり。
最初は彼の怒りや悲しみに正当性があるのではないかと話に付き合っていたハウスメイト達も、3日も経てば、これは単なるこの男の性癖、しかも悪癖であると見切りを付け、いちいち反応しなくなります。
それが面白くない「構ってチャン」は、嫌がらせ行為をエスカレートさせて、周囲をの人間をますますうんざりさせるのです。
それでも注目が得られないとなると、Attention
Seekerの「報復」は、自傷行為にまで発展する恐れがあります。
一昨日、ハウスメイト達への「報復」の為に、食料をこっそりゴミ箱に捨てていた時のShahbazの目には、狂気の色が浮かんでいました。
夫と、「この人、公開自殺未遂しかねないよね・・」と話していたら、案の定!
昨晩の放送中、彼がカメラに向かって「自殺するぞ」と脅した為、心理学者のアドバイスを仰いで番組制作側が協議にかけ、Shahbazを強制退場させる結果と相成ったそうです。
台所には包丁がいっぱいあるし、ビッグ・ブラザーハウスが血の海なんて事になったら、放送事故なんてもんじゃありません。チャンネル4側としては、「自殺するなら、テレビ・カメラの無い所でやってくれ」って所でしょうね。
ここからが本題です。
そう、今までのは壮大な前フリ・・長かったですね。すみません☆
一昨日だったか、Shahbazと一対一で話していたハウスメイトの黒人女性が、
「あなたが孤立しているのは、あなたがパキスタン人だからじゃないし、オカマなのも関係ない。
あんたはそういう理由だと思ってるみたいだけど、そういう事は全然関係ないんだよ」などとちゃんとした事を言っていました。
こんな人に語ったって無駄だよ、と思ったんですけど、ホント無駄でしたね。
「Attention Seeker」は、十中八九「免罪符Seeker」なんですよ。
ここでご覧頂きたいのが、現在イギリスを代表するコメディー・スケッチ、「Little
Britain」(当サイト内の「Little Britain」説明ページはここ)の、「寒村で唯一のゲイ」のエピソードです。
中世の様な建物の立ち並ぶ小さな村で、両親と共に暮らしているゲイ青年Daffydくんのアイデンティティーは、「自分がこの村で唯一のゲイだ」と言うこと。
それを誇示する為に常に極端すぎるハード・ゲイ・ファッションで、老人ばかりの村内を練り歩いています。
ところがこの村には、人口の割りに意外と他にも沢山ゲイが居て、その度にDaffydは軽いアイデンティティ・クライシスに遭うのですが、大体は「見なかったこと」にして済ませています。
エピソードの一つ、「Daffyd Can't Get A
Job」では、おうちで「ウィル・ヤング(ゲイのポップ・アイドル。当サイト内のページはここ)のスクラップ・ブックをUPDATE中」のDaffydに、お母さんが「あなたも仕事した方がいいって話してたんだけど
・・・」と提案をします。
しかしDaffydは、
「僕だって仕事したいよ。でも、出来ないんだよね。
だって、ゲイだから。」と一蹴。
彼曰く、
「僕だってしたい仕事は色々あるけどね、ゲイだから出来ないんだよ。
美容師さんとか、飛行機のスチュワードとか、テレビの子ども番組の司会者とかね!」(←※これらは全部、ゲイが多い、或いはゲイ
っぽいと思われがちな職業です)
お母さんが「仕事を持ったら、自分のフラットが借りられるでしょ!」と諭してみても、
「どうしてフラットが借りられるんだよ!僕はゲイなんだよ!
一体大家さんに何て言うんだよ!
"ハ〜イ、大家さん!
ぼく、男のお尻が大好きなんですぅ☆”とでも言えっていうの!?」
と、一事が万事この調子。
「Little
Britain」で描かれるゲイ、マイノリティー、身体障害者と言ったキャラクターは、被差別者としての立場を逆手に取り、免罪符をひけらかすツワモノばかり
なのです。
実際のところ、「負の選民意識」を持った人間は本当に厄介です。
(ここで言う「負の選民意識」とは、被差別者そのものではありません。被差別意識によって、自分を選ばれた人間であると信じ込み、周囲からの特別扱いを期待する人々の事です)
彼らを正面切って非難すると、「私がゲイ(マイノリティー、身体障害者、年寄り)だと思ってバカにして!許さない!」と主張する権限を与えてしまうので、周囲は腫れ物に触る様に扱うしかありません。
するとこういう連中は、その構造を利用してどんどん厚かましさを増長するのです。悪循環極まれり。
誰しも周囲を見回せば、「Attention
Seeker」や「印籠を振りかざす免罪符Seeker」の一人や二人、簡単に思い当たるんじゃないでしょうか?
この手の連中に困らされている人々は、「Little
Britain」のスケッチを見て溜飲を下げている事でしょう。
Daffydを演じている役者のマット・ルーカス(32歳)は、本人自身もゲイ。しかも、ご覧の通りのルックスです。
マット(写真左。禿頭の方)は身長169センチ。
体重は不明ですが、120キロは下らないでしょう。

マットは6歳の頃から、脱毛症を患っているのだそうです。
厳格と言われるユダヤ系の家庭環境で育ち、男子校育ちでゲイ。自分を戯画化して笑わせるに至るまでの、決して平坦では無かったであろう道程が感じられます。
マットが「負のエリート意識で鼻持ちならない行いをする人々」を演じる時、「××だから、できないもん!」的な言い訳の全ては、完膚なきまでに封じ込められます。
マットの演じるキャラクターに、甘えた被差別意識の持ち主に対する断罪の様な威力があるのは、マット自身が背負ってきた(或いは現在も背負っている)十字架の重さも作用しているかもしれません。
その十字架も含めて笑わせてやるよ、と言う強さ。そして、実際には笑う事の許されない状況ですら、プロの演技で罪悪感無く笑わせてしまう力。
これこそがイギリスのコメディーの凄さだと、つくづく感じます。
と、ここまで書いたら、先ほど「Big Brother's Little
Brother」と言う番組(ビッグ・ブラザーをネタにして毎日放送される、雑談トークショー)に、昨晩追放されたAttention
SeekerのShahabzが出てきました。
そして突然Daffyd(「村で唯一のゲイ」キャラ)の真似をして、
「僕はビッグ・ブラザー村で唯一のゲイだよ!」
などとおどけていたので、私の心を読まれたのかと一瞬ビクッ!としました。
だって、Shahabzの隣にゲストとして座っていたのは、なんとユリ・ゲラーだったんですよ!
私の考えていた事がユリ・ゲラーに読まれてしまい、超能力を媒介にして「村で唯一のゲイ」発言をAttention
Seeker野郎に言わせたのではないかと・・・。
だって、清田くんじゃなくてユリ・ゲラーですよ?ありえるでしょ?
☆オマケ☆
マット・ルーカス(Daffyd役)とデイヴィッド・ウィリアムスは、「Little
Britain」の製作、脚本、そしてメインのキャラクター全てを演じている、才気溢れる二人組みです。
彼ら曰く、ビッグ・ブラザーの第2シリーズで人気だった、ゲイ青年のブライアン(最終結果は第2位)が、中途から別のゲイ男性が参入してきた時、「ゲイは僕一人で充分なのに!」と反応したのを見て、「村で唯一のゲイ」のキャラクター設定の妙に膝を打ったんだそうです。
そのインタビュー込みの映像も、ぜひご覧になってみてください。
英語がわからなくても大丈夫!「The Only Gay In The Village」を誇るDaffydの、めくるめく強烈ファッションの数々と、
何でもかんでも「だって僕、ゲイだし。」で済ますキャラクターが、ダイジェストで一気に楽しめます。
※前半でDaffydが見ている本は、ボーイ・ジョージの自伝です。
※中盤に入るのが、ビッグ・ブラザー第2シリーズの「途中参入のゲイに脅かされるブライアン」の様子です。
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